2018年2月20日火曜日

盆栽飾りが新しくなりました。




         五葉松 樹齢約60年
         雪柳  樹齢約8年
         土佐水木  樹齢約25年

立春を過ぎ2月19日には春の2番目の節気にあたる雨水となります。
雪は雨に変わり、氷を溶かし水が大地に染み渡ってゆきます。
しかし、麗らかな春の訪れにはまだ遠く、大雪が降ったりもします。
三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。

土佐水木の堅かった花芽もようやく開く気配をみせています。
ぷっくりとして今にもパッとくす玉のように開いて、明るい黄色の花を見せてくれそうです。
春を告げる黄色は土佐水木をはじめ、マンサクやロウバイ、サンシュユにレンギョウなど、
白や紅の梅の後に黄色が眼に入ると本当に春が来たなと感ずるものです。

雪柳は柳のように扇状にカーブし枝を垂れて真っ白な花をつけます。
満開に咲いた時は、まるでそこだけに雪が降っていたかのように真っ白なかたまりになって見えます。
こちらも春を告げる代表的な種類です。

松は常盤の緑、寒さ厳しい中でも緑を保ちます。
散ることなく緑を称える姿は永遠、不死の象徴として古来より重用されていました。
かでも五葉松の短かくつまった葉姿は、他の黒松や赤松に比べても気品があります。
特に盆栽界では松の中の王、しいては盆栽の王様として扱われています。
春は名のみとは言えど、五葉松の葉もここにきて少しだけ柔らかく青みがついてきたようです。

水温むと言っても何ということはないと思う方も多いでしょうが、
自然界にとっては待ちに待った春の到来を感じられることです。
植物も動物も深い眠りから覚めるきっかけとなります。
さあ、目覚めよ!春が来た!春は足下から始まるのでしょう。

銀座雨竹庵




2018年1月31日水曜日

春のしるしを感じる盆栽






        山茱萸(サンシュユ) 樹齢約30年
        錦松  樹齢約50年
        柊  樹齢約35年

2月4日で立春となり、暦の上では春の到来です。
前日の3日は節分。

季節の変わり目に邪気が生じ、それを追い払う為に「鬼は外福は内」と豆を撒くことは、子供の頃から知っての通りです。

節分当日の夕暮れ、柊の枝に鰯の頭を刺したもの(柊鰯)を戸口に立てて置くことも、
古くは平安時代からの名残りのようです。
鰯の匂いにつられて顔を近づけた鬼の目に柊の葉が刺さり逃げて行く、といった仕掛けになっているようですが、
手入れをする職人にも優しくない木であります。

錦松は樹皮がゴツゴツと岩の鎧をまとったような幹をしており、なんとも力強く、凄みがあります。
昔、四国地方の黒松を山から取り出していた中にまぎれて出てきたものが最初と言われています。
極めて稀少で成長も遅いため、接ぎ木法という技術を使い多くの産出に成功したものです。
名前からも、錦を飾るといって縁起が良いですね。

中国、朝鮮半島原産のサンシュユ、その名前は中国名の「山茱萸」を音読みしたものです。
別名で 「春黄金花(はるこがねばな)」と言い
”木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝く”様を表しています。

春の到来は全ての生き物にとって待ち望んでいたものでしょう。
草木も動物もそして人間も。

春は名のみと言いますが、それでも僅かなしるしを見つけて感じるのもこの季節です。


銀座雨竹庵

2018年1月26日金曜日

新しい盆栽をお楽しみください





       椿(西王母)  樹齢約30年
       季寄せ飾り (万両・千両・十両)
       五葉松  樹齢約80年


1月20日で小寒から大寒へと節気は変わり、寒さもより厳しくなって行きます。
暦では寒さのピークであり、その次の節気は"立春"つまり春となります。

五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、門松にあるように今年の歳神様を待つ、
神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

万両と千両、十両の寄せ植えは「財を成す」として、彩り豊かな雅びな飾りになりました。

椿は数多くの品種が出ていますが、これは「西王母」という金沢から出た品種です。
丸くふくよかな蕾から桃色の綺麗なグラデーションと、黄色い花芯が可愛らしく、凛としています。

常盤の緑をたたえる松と、春を告げる花々が咲き始め、盆栽界が一番賑わう国風盆栽展も間近になります。



銀座雨竹庵


2018年1月10日水曜日

新年の飾り初め




        野梅  樹齢約50年
        季寄せ飾り (五葉松 紅梅 白梅 フキタンポポ
                              万両 十両 南天 姫笹)
        五葉松  樹齢約80年

あけましておめでとうございます。
新たな年の始まりは心も新たになれるものです。
新しい気持ちでものを見聞きすると、盆栽にも新しい発見があるのかも知れません。

新年の飾り初めとして、五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、
門松にあるように今年の歳神様を待つ、神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

古くから日本人に愛されてきた梅の花。
江戸時代以降の花見といえば桜ですが、奈良時代以前に「花」といえば梅のことでした。
平安時代、菅原道真が愛した花としても知られ、道真とその神格化である学問の神、
天神のシンボルとしても梅が使われています。

「松竹梅」は慶次吉祥のシンボルとなっていますが、元は中国の「歳寒の三友」といわれる文人画の画題から伝わったものです。
松は寒い中でも常盤の緑を保つことから不老長寿の象徴であると共に、
「神を待つ」年神様の依り代とされます。
梅は雪がちらつく程の寒さ厳しい中でも一番に咲き、春を告げる。
清廉潔白で気品ある美しさがあります。
竹もまた寒い中でも緑を保ち、成長の早さは著しく、天に向かって真っ直ぐに伸びる姿に、子の成長をなぞらえたりします。
その他にも、南天で「難を転じて福となす」となり、万両と十両を入れて「財を成す」として、
柑橘は常緑で沢山の実りを長く持たせることから「永く続く繁栄」を表わしています。

年の始まりにめでたいづくしの雅びな飾りとなりました。

これもまた、盆栽のひとつの表現です。
年の始まりは松に始まります。

これから順々と季節の旬の飾りを楽しんで頂けるよう精進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。


銀座雨竹庵



2017年12月19日火曜日

クリスマスの気配漂う盆栽



仏手柑 樹齢約25年
シクラメンにコケモモ
桧 樹齢約45年

12月22日は24節気の冬至となります。
日照時間が最も短くなる日、つまり太陽の力が一番弱まる日です。
この日を境にまた日照時間が長くなり始めることから、「一陽来復」といって太陽が力をよみがえらせる日とされ、
陰から陽へと運気が上昇する起点とされています。

先端が指先のように分かれている「仏手柑(ぶっしゅかん)」。
「手仏手柑」とも呼ばれ、鮮やかな黄色い皮はゴツゴツとして、柑橘の仲間なのに果肉がほとんどないという
ユニークな植物です。
原産地はインド北東部で、仏様の手のように見えることからこの名前になったそうです。

桧の寄せ植えは桧林をイメージして、雪化粧をしてみました。
北欧の方からトナカイのそりに乗ってあの白い髭と赤い服のお爺さんがやって来るような、そんな光景は見えないでしょうか。

コケモモはこの時期に貴重な色をだしてくれます。
可愛らしい赤い実に緑の葉はクリスマスカラーにぴったりです。
シクラメンは地中海沿岸地方原産で 明治末期に渡来したものですが、今では様々な品種が開発され、
すっかり冬の定番の花になりました。

柑橘類が旬を迎え、寒さ厳しくなるこの季節、コタツにみかん、冬至の柚子湯と日本には欠かせない風物詩ですが、
やはりクリスマスに押されがちであります。


銀座雨竹庵


2017年12月5日火曜日

師走の盆栽




姫柿 樹齢約35年
コケモモ
五葉松 樹齢約80年

12月7日で24節気の大雪となります。
寒さが日に日に厳しくなり、山々だけでなく平地にも雪が降り出す頃となります。
いよいよ冬本番というところでしょうか。
柿のミニチュアのような可愛らしい実が鈴生りになって楽しませてくれています。

姫柿は昔中国から持ち込まれたものですが、柿渋を採取するためと、鑑賞用として渡来したようです。
渋が強いのと、果肉より種の占める割合が多いので、食用には向きませんので悪しからず。
実持ちがよく、年明けまでついていることもあり長く楽しめます。
鳥もあまり食べないので、尚の事ですね。

コケモモは冬の寒さにも強く、-40度の環境下でも耐える力があり、葉も落とさずに可愛らしい実を見せてくれます。
実は酸味が強いですが、北欧ではジャムや甘煮にして食す習慣があります。

五葉松は読んで字の如く、ひとつの芽から針葉が5つ出るもので、他の松類と分ける特徴といえます。
葉が細かいことで樹をより大きく見せるとともに、棚といわれる葉組みが作り易く、盆栽として理想の形を求められる。
いわゆる盆栽の王道を行く素材といえます。
黒松、赤松に並び、松盆栽の代表といえる五葉松には力強さの中にも雅やかな品格が感じられます。

気づけば今年も後ひと月です。
おそらく、ここから瞬く間に正月になっていることでしょう。
年の終わりと来る年の準備が否応なく迫ってきます。
なるほど、師も走る訳です。


銀座雨竹庵



2017年11月22日水曜日

盆栽が新しくなりました。





山茶花 樹齢約35年
イソギクとコケモモの寄せ
黒松石付き 樹齢約50年

11月22日で24節気の小雪となります。
冬は進み底冷えする寒さが身にしみて感じられます。
山々の頂は白く化粧をしてゆきます。

サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で日本の固有種です。
童謡『たきび』の歌詞に登場することでもよく知られるています。
ツバキによく似ていますが、花が終わると花弁がばらばらになるのがサザンカの特徴といえます。

イソギクは磯に自生する耐寒性の強い植物。
この時期に黄色い花を見せてくれる貴重な花です。
コケモモは冬の寒さにも強く、-40度の環境下でも耐える力があり、葉も落とさずに可愛らしい実を見せてくれます。
実は酸味が強いですが、北欧ではジャムや甘煮にして食す習慣があります。

黒松は樹皮が黒っぽくなることからきた名です。
海岸沿に多く分布し、防風林や景観のため植林されてきました。
石付きの姿は岩壁に根をはる景を見せています。
他の草木らが紅葉し枯れ落ちてゆく中、常盤の緑をたたえる松は益々その青を濃くしてゆくようです。

早いもので、もう数日で師走です。街はクリスマスのイルミネーションが用意され、せわしなくなってきたように感じます。
そんな時こそ、ひと息入れて盆栽を見る余裕がほしいものです。


銀座雨竹庵