2018年1月10日水曜日

新年の飾り初め




        野梅  樹齢約50年
        季寄せ飾り (五葉松 紅梅 白梅 フキタンポポ
                              万両 十両 南天 姫笹)
        五葉松  樹齢約80年

あけましておめでとうございます。
新たな年の始まりは心も新たになれるものです。
新しい気持ちでものを見聞きすると、盆栽にも新しい発見があるのかも知れません。

新年の飾り初めとして、五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、
門松にあるように今年の歳神様を待つ、神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

古くから日本人に愛されてきた梅の花。
江戸時代以降の花見といえば桜ですが、奈良時代以前に「花」といえば梅のことでした。
平安時代、菅原道真が愛した花としても知られ、道真とその神格化である学問の神、
天神のシンボルとしても梅が使われています。

「松竹梅」は慶次吉祥のシンボルとなっていますが、元は中国の「歳寒の三友」といわれる文人画の画題から伝わったものです。
松は寒い中でも常盤の緑を保つことから不老長寿の象徴であると共に、
「神を待つ」年神様の依り代とされます。
梅は雪がちらつく程の寒さ厳しい中でも一番に咲き、春を告げる。
清廉潔白で気品ある美しさがあります。
竹もまた寒い中でも緑を保ち、成長の早さは著しく、天に向かって真っ直ぐに伸びる姿に、子の成長をなぞらえたりします。
その他にも、南天で「難を転じて福となす」となり、万両と十両を入れて「財を成す」として、
柑橘は常緑で沢山の実りを長く持たせることから「永く続く繁栄」を表わしています。

年の始まりにめでたいづくしの雅びな飾りとなりました。

これもまた、盆栽のひとつの表現です。
年の始まりは松に始まります。

これから順々と季節の旬の飾りを楽しんで頂けるよう精進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。


銀座雨竹庵



2017年12月19日火曜日

クリスマスの気配漂う盆栽



仏手柑 樹齢約25年
シクラメンにコケモモ
桧 樹齢約45年

12月22日は24節気の冬至となります。
日照時間が最も短くなる日、つまり太陽の力が一番弱まる日です。
この日を境にまた日照時間が長くなり始めることから、「一陽来復」といって太陽が力をよみがえらせる日とされ、
陰から陽へと運気が上昇する起点とされています。

先端が指先のように分かれている「仏手柑(ぶっしゅかん)」。
「手仏手柑」とも呼ばれ、鮮やかな黄色い皮はゴツゴツとして、柑橘の仲間なのに果肉がほとんどないという
ユニークな植物です。
原産地はインド北東部で、仏様の手のように見えることからこの名前になったそうです。

桧の寄せ植えは桧林をイメージして、雪化粧をしてみました。
北欧の方からトナカイのそりに乗ってあの白い髭と赤い服のお爺さんがやって来るような、そんな光景は見えないでしょうか。

コケモモはこの時期に貴重な色をだしてくれます。
可愛らしい赤い実に緑の葉はクリスマスカラーにぴったりです。
シクラメンは地中海沿岸地方原産で 明治末期に渡来したものですが、今では様々な品種が開発され、
すっかり冬の定番の花になりました。

柑橘類が旬を迎え、寒さ厳しくなるこの季節、コタツにみかん、冬至の柚子湯と日本には欠かせない風物詩ですが、
やはりクリスマスに押されがちであります。


銀座雨竹庵


2017年12月5日火曜日

師走の盆栽




姫柿 樹齢約35年
コケモモ
五葉松 樹齢約80年

12月7日で24節気の大雪となります。
寒さが日に日に厳しくなり、山々だけでなく平地にも雪が降り出す頃となります。
いよいよ冬本番というところでしょうか。
柿のミニチュアのような可愛らしい実が鈴生りになって楽しませてくれています。

姫柿は昔中国から持ち込まれたものですが、柿渋を採取するためと、鑑賞用として渡来したようです。
渋が強いのと、果肉より種の占める割合が多いので、食用には向きませんので悪しからず。
実持ちがよく、年明けまでついていることもあり長く楽しめます。
鳥もあまり食べないので、尚の事ですね。

コケモモは冬の寒さにも強く、-40度の環境下でも耐える力があり、葉も落とさずに可愛らしい実を見せてくれます。
実は酸味が強いですが、北欧ではジャムや甘煮にして食す習慣があります。

五葉松は読んで字の如く、ひとつの芽から針葉が5つ出るもので、他の松類と分ける特徴といえます。
葉が細かいことで樹をより大きく見せるとともに、棚といわれる葉組みが作り易く、盆栽として理想の形を求められる。
いわゆる盆栽の王道を行く素材といえます。
黒松、赤松に並び、松盆栽の代表といえる五葉松には力強さの中にも雅やかな品格が感じられます。

気づけば今年も後ひと月です。
おそらく、ここから瞬く間に正月になっていることでしょう。
年の終わりと来る年の準備が否応なく迫ってきます。
なるほど、師も走る訳です。


銀座雨竹庵



2017年11月22日水曜日

盆栽が新しくなりました。





山茶花 樹齢約35年
イソギクとコケモモの寄せ
黒松石付き 樹齢約50年

11月22日で24節気の小雪となります。
冬は進み底冷えする寒さが身にしみて感じられます。
山々の頂は白く化粧をしてゆきます。

サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で日本の固有種です。
童謡『たきび』の歌詞に登場することでもよく知られるています。
ツバキによく似ていますが、花が終わると花弁がばらばらになるのがサザンカの特徴といえます。

イソギクは磯に自生する耐寒性の強い植物。
この時期に黄色い花を見せてくれる貴重な花です。
コケモモは冬の寒さにも強く、-40度の環境下でも耐える力があり、葉も落とさずに可愛らしい実を見せてくれます。
実は酸味が強いですが、北欧ではジャムや甘煮にして食す習慣があります。

黒松は樹皮が黒っぽくなることからきた名です。
海岸沿に多く分布し、防風林や景観のため植林されてきました。
石付きの姿は岩壁に根をはる景を見せています。
他の草木らが紅葉し枯れ落ちてゆく中、常盤の緑をたたえる松は益々その青を濃くしてゆくようです。

早いもので、もう数日で師走です。街はクリスマスのイルミネーションが用意され、せわしなくなってきたように感じます。
そんな時こそ、ひと息入れて盆栽を見る余裕がほしいものです。


銀座雨竹庵

2017年11月6日月曜日

盆栽で旬をお楽しみください




紫式部  樹齢約40年
糸ススキ
黒松 樹齢約70年

11月7日で立冬となります。
暦は秋から冬へ進みます。とはいえまだ秋の名残りが感じられ、晴れた日などは行楽日よりといえる暖かさ、
かと思えば冷たい時雨があったりと、そうこうしながら冬になって行くのでしょう。

紫式部の実も色づきはじめました。
平安時代の美人作家の名を戴いたこの植物は、紫色の実をびっしりとつけることから「紫敷き実」と呼ばれていたものが、
いつからかその美しい色合いと気品のある姿から、そう呼ばれるようになったようです。

11月1日は十三夜、後の月でした。
十五夜の中秋の名月と合わせてみると良いと言われ、片方を見逃すと片見月と言われよろしくないようです。
月見にはススキということで、この時期まで見れる十三夜ススキを飾りました。

黒松は樹皮が黒っぽくなることからきた名です。
海岸沿に多く分布し、防風林や景観のため植林されてきました。
他の草木らが紅葉し枯れ落ちてゆく中、常盤の緑をたたえる松は益々その青を濃くしてゆくようです。

過ぎ行く秋を感じつつ、控える厳しい冬に備えて植物も動物も人間も、いそいそと支度に追われるようです。
そうして秋はいつも足早に去っていくようです。


銀座雨竹庵

2017年10月21日土曜日

晩秋に向かう彩りをお楽しみください





五葉松  樹齢約70年
小菊
カマツカ 樹齢約35年


10月23日は24節気の霜降にあたります。
いよいよ秋深まり、朝晩はぐっと冷えこみ冬が近いことを予感させます。

かまつかの実も色づきはじめました。
かまつかは材が強く鎌の柄に利用されたことなどからついた名のようです。
別名にウシゴロシともいい、牛の角がかまつかの木に引っかかっても折れなかったそうですが、
その名に似つかわしくないほどの可愛らしい姿です。

野の草花も朝霜にあたり紅葉し、次第に枯れ始めることでしょう。
小菊もここで目一杯咲ききろうとしているかのようです。
なんとも健気で可憐な姿です。

五葉松は読んで字の如く、ひとつの芽から針葉が5つ出るもので、他の松類と分ける特徴といえます。
葉が細かいことで樹をより大きく見せるとともに、棚といわれる葉組みが作り易く、
盆栽として理想の形を求められる、いわゆる盆栽の王道を行く素材といえます。
黒松、赤松に並び、松盆栽の代表といえる五葉松には力強さの中にも雅やかな品格が感じられます。

季節は晩秋に向かい、沢山の実りをもたらし最後の輝きを放ってゆきます。
栄枯盛衰を繰り返す草木の美しさを一番良く感じられる季節ではないでしょうか。


銀座雨竹庵

2017年10月10日火曜日

深まる秋をお楽しみください


 


山柿 樹齢約20年
紅チガヤとカマツカの寄せ
真柏 樹齢約60年

仲秋を過ぎ、10月8日は24節気の寒露となり秋は深まりつつあります。
朝晩は特に肌寒くなってきたようです。
山柿の実も少しずつ色がついてきました。
食べ頃はまだもう少し先でしょう、などと学童の頃、帰り道にあるよその家の塀先に見える柿をみて思った、なんて方もいるのでは。
渋柿を軒に吊るしてある農家の光景も絵になるものです。

ここにきて紅チガヤの赤も色濃くなっているようです。
混生しているカマツカも赤くなってきました。
まるでそのまま野原から引っ張り出したかのような自然な雰囲気を感じる植付けです。

真柏は夏の暑さから逃れてイキイキしているようです。
朝露に太陽の光が当たって緑が冴えて見えます。
この後の厳しい冬が来る前に沢山の養分を吸い上げて、光合成をし力を蓄えています。

秋深まり、実が熟し紅葉が始まり、山々は錦に色づき始めます。
動物たちは冬に備えて懸命に蓄えて、魚も脂がのって美味い時期です。

食欲の秋に芸術の秋と私たちもある意味肥えていきそうです。
スポーツの秋とはそういう意味も含んでいるのでしょうか。


銀座雨竹庵