2017年6月12日月曜日

季節の盆栽お楽しみください





      ノリウツギ 樹齢約20年
      早苗 (コシヒカリ)
      桧寄植え  樹齢約50年

6月5日で芒種となり、田んぼもすっかり稲が植えられ、
水面はキラキラと反射して初夏の美しい景色を見せています。
日本の風土や文化は稲作が中心になってきたものです。
一年を通して祭りや儀式の多くは稲作が関わっており、生活の軸になっていました。
知り合いの農家の方から実際に使うコシヒカリの早苗を譲っていただき、植え込みました。

ノリウツギは見た通りアジサイの仲間です。
北海道から九州まで広く分布し、野山に湿地に岩場にも広範囲に生息する、
とても丈夫で成長の早い樹です。樹液から和紙に使う糊を採っていたことでこの名がついたようです。
アジサイよりも少し遅れて咲くとても涼しげ花姿です。

桧林を思わせる寄せ植えの盆栽です。
桧の歴史は古く、弥生時代から桧の材木は随一とされ、
神社仏閣の多くにヒノキ材が使われています。
桧の人工林は各地に多く点在しており、里山の原風景といえます。
桧林が雨にけむる風景を想像してみると日本の梅雨の景色のひとつとも言えるでしょう。

気象庁からは6月7日から梅雨入りとの発表がありました。
から梅雨では水不足になってしまいますし、酷い豪雨での災害は困ります。
程良い梅雨を願うばかりです。


2017年5月30日火曜日

店内の盆栽が新しくなりました。






       岩がらみ 樹齢約30年
       ユキノシタ
       サツキ 樹齢約40年

5月21日で小満をむかえ大地の気が満ちてゆきます。山の木々はすっかり緑が繁茂し、
植物も動物も花を咲かせ、子をつくり、命の輝きを見せてくれます。

岩がらみは文字通り岩や木に張り付いて枝を伸ばし花を咲かせます。
アジサイの原種ともいわれ、白い額を外側に中は小さな小花を密にして咲きます。
アジサイよりも楚々としていて野趣があり、山の中で咲いているのがイメージしやすいものです。

ユキノシタも文字通り冬の間は雪の下で葉を保ち、いよいよ初夏の頃に花茎をすっと伸ばして可愛らしい花を咲かせます。
山の岩場などで根を張り、群生して花を咲かせると、白い小花がいっぱいになって雪のように見えるのですね。

サツキが鮮やかな花を咲かせました。
ツツジの仲間であるサツキは古く旧暦の五月を皐月と言い、他のツツジ類に比べ皐月の頃に遅れて咲いてくることで
サツキツツジと呼ばれました。
花形良く小葉で幹もきれいで尚且つ丈夫であることから、交配され様々な品種が発表され人気を博しています。
五月雨、皐月晴れとどちらも旧暦の5月を言い、現代の暦では6月の梅雨どきの空模様を表しています。
サツキが咲き終わる頃には梅雨入りが近いのでしょう。今は爽やかな初夏の陽気を楽しむのが一番です。



2017年5月16日火曜日

店内を彩る盆栽をお楽しみください




      山もみじ  樹齢約35年
      アヤメ
      真柏  樹齢約60年


立夏を過ぎて風薫る季節です。山々は新緑に覆われ、生命の輝きが満ち溢れているようです。
険しい山に生きる真柏は風雪に押しつぶされながらもたくましく崖から枝を伸ばし、今やと葉を茂らせています。
炎天の真夏に入るまではいっきに力をみなぎらせているようです。

山もみじの寄植えはもみじ林のように見せています。
まだ出たばかりの新葉に太陽の光が透けるようで、葉陰は薄く清廉な空気が漂っているようです。
木々の間を鹿などの動物たちが歩いている絵が想像できるでしょう。

アヤメが咲きだすと夏の始まりを感じます。
アヤメは湿地の植物のように思われていますが、低山から高原の明るい草原に見られる植物です。
「いずれはアヤメかカキツバタ」と、よく似ていてどちらも良いという
言いまわしがありますが、アヤメは乾いた土地を好み、カキツバタは湿地を好みますので、本来住処は離れているようです。

夏の始まりと同時に、梅雨がくるまでの良日が永く続くのを願う方も多いでしょう。
暑くなってきても、カラッとして風が気持ち良いこの頃は、予定が無くとも自然と外に出かけたくなる気分になるものです。



2017年4月30日日曜日

店内の盆栽をお楽しみください




       出猩々もみじ 樹齢約20年
       風知草
       桧  樹齢約60年

季節は立夏を間近に若葉きらめく頃です。

出猩々もみじは春の芽出しが真っ赤に色づき、目を引きます。
夏に近づくにつれ緑色になってゆき、秋にはまた紅葉してくれます。

風知草は夏の間に涼しさを感じさせてくれる葉物ですが、
春の芽出しも爽やかでとても良いです。

桧は古来から最上級の材木として扱われてきました。
太くて大きな桧は神社や仏閣の建造には貴重なものでした。
桧の香りを好むのは日本人のDNAに刻まれているのでしょう。

2017年4月19日水曜日

盆栽が新しくなりました。






          藤の花 山藤・約40年
          丹頂草
          真柏  樹齢約50年

深山の“春兆”


街並みの“桜の便り”がいつの間にか消えてゆくこの頃、喧騒から遠く自然の風吹く山々にも、春は確実に花開いてきています。


足下の渓流も雪どけ水の清冽な流れを取り戻し、沢の脇には丹頂草が花首を陽射しに向けて精一杯開いています。


山々はこうして少しずつ“温”を取り戻して“萌える樹々”が緑のハーモニーを奏でるようになります。

それでも 遠く高く仰げば、草花も無い断崖の高所に真柏の老樹は、深い緑を湛えて変わらぬ表情を見せています。


変わらぬ命・刻々と姿を変える命、そのすべてが大きな自然の中にあります。

私達もこの自然の中のひとつなんですね。


森前誠二

2017年2月13日月曜日

盆栽が新しくなりました。




サンシュユ 樹齢約30年
寒菊
五葉松 樹齢約60年 

2月4日の立春を過ぎ、暦では春の到来です。 とはいえこの頃は各地で大雪が降るなど、まだまだ寒さ厳しい季節です。 寒い中でも常盤の緑を保つ松は、日本人の持つ精神性や信仰心の象徴となってきました。 中でも五葉松は黒松や赤松に比べ葉が短く凛としていて、葉組みが綺麗にまとまり、 松の中では千両役者ばりに絵になる姿をしています。 ようやく近くの庭梅が咲き出してくる頃、盆栽は一足先に早春の黄色花を代表するサンシュユが開き始めます。 春黄金花の別名もあるように、葉に先立って花を咲かせ、満開になると全体を黄金色が覆うように見せます。 サンシュユは中国の山茱萸の漢名を音読みした名です。 寒菊もこの時期に貴重な色合いです。 これは春というより冬の花ですが、霜にも強く、鑑賞用に作られています。 春は名のみというように、まだ寒さのピークではと思えるほどですが、 そんな時こそ僅かな春の兆しを探してみるものです。

2016年12月16日金曜日

冬の彩り






        キンカン 樹齢約15年
        コケモモ
        桧寄せ植え 樹齢約45年

早いもので12月21日には冬至となります。
日照時間が最も短くなる日、つまり太陽の力が一番弱まる日です。
この日を境にまた日照時間が長くなり始めることから、
「一陽来復」といって太陽が力をよみがえらせる日とされ、
陰から陽へと運気が上昇する起点とされています。

その昔中国から渡って来たキンカンは、寒さの耐性もあるため日本全国に広まり、
様々な品種が開発されました。
その姿から「福徳」、色味から「黄金」また実つきの良さから「子孫繁栄」の象徴として
冬至や正月に飾ることが多いようです。

桧の寄せ植えは桧林をイメージして、雪化粧をしてみました。
トナカイのそりに乗ってあの人がやって来そうではないでしょうか。

コケモモはこの時期に貴重な色をだしてくれます。
可愛らしい赤い実に緑の葉はクリスマスカラーにぴったりです。
柑橘類が旬を迎え、寒さ厳しくなるこの季節、コタツにみかん、
冬至の柚子湯と日本には欠かせない風物詩ですが、やはりクリスマスに押されがちではあります。