2017年9月15日金曜日

店内の盆栽をお楽しみください





    姫柿 樹齢約30年
    箱根菊
    桧  樹齢約50年

9月23日で秋分となります。
彼岸の中日で、昼の時間と夜の時間がちょうど半分ずつになり、ここから徐々に夜が長くなってゆきます。

姫柿の実はまだ青々としていますが、これから赤く色づいてくることでしょう。
昔中国から持ち込まれたものですが、柿渋を採取するためと、鑑賞用として渡来したようです。
渋が強いのと、果肉より種が占める割合が多いので、食用には向きませんので悪しからず。

9月9日は重陽の節句でした。
別名に菊の節句とも言います。重陽の節句に菊の花を愛でるのは、古くは中国から来た文化であり、酒に菊の花を浮かべて飲み干せば長寿が得られるとの伝えがあるようです。

まるで御神木のような存在感のある桧の盆栽です。
桧の歴史は古く、弥生時代から桧の材木は随一とされ、神社仏閣の多くにヒノキ材が使われています。
神殿の柱になる太く立派なヒノキを求めて各地を探し周ったようです。
台風が多いのは人も植物も困ってしまいますが、暑さ寒さも彼岸までというように、しばらくは落ちついた気候が続き、ここから徐々に秋深まってゆきます。

秋の夜長をゆったりと過ごせると良いですね。



銀座雨竹庵



2017年8月21日月曜日

店内の盆栽が新しくなりました。






     ケヤキ 樹齢約50年
     屋久島すすき
     真柏石付き 樹齢約50年

立秋を過ぎ、8月23日には処暑をむかえます。
暦では暑さもピークを越えて、朝夕が涼しく感じられる頃となるようですが、
現代の気候にはあてはまらなくなっているようです。

夏休みをつかって田舎に帰郷した方も多いでしょう。
子供の頃によく遊んだ神社や公園のケヤキが気がつけば大きな老大木なっていたなんてこともあるかも知れません。
多くの自治体がケヤキをシンボルとして、県の木、市の木、町の木として指定しています。
街路樹や公園などによく使われ、とても身近に感じられる木ではないでしょうか。

屋久島すすきが早くも穂を出しています。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども…」とは申しますが、少しずつ秋はやって来ています。
今年の仲秋の名月、十五夜は10月4日とやや遅めです。

真柏の石付き盆栽はまるで山中の樹海のように鬱蒼として見えます。
夏の日差しを遮り、動物たちの隠れ家となっているのでしょう。
薄暗い森の中は涼しく、苔に覆われたオアシスといったところでしょうか。

暑い日々が続いていても、秋になれば残暑といいます。
暦の上と言わずに、微かな秋の気配を見つけてみましょう。

2017年8月8日火曜日

微かな秋の気配を盆栽で






夏ヅタ 樹齢約35年
風知草
桧寄せ 樹齢約40年

8月7日で立秋となり暦の上では秋の始まりです。まだまだ暑さ厳しく残暑ですが、夏は終わります。
異常気象や温暖化の影響で昔の季節感とはかなりのズレがあるようです。

蔦はたくましい生命力を持った樹です。
山では樹や岩に街中ではビルの緑化にあらゆる所に張り付きつたって生きています。
今はみずみずしい青葉を繁らせてゆき、夏の暑さにじっと耐え、秋には美しく紅葉してくれます。

風知草のなかでも葉に白い縞が入る縞風知草はより涼やかな雰囲気を感じさせてくれます。
名前だけでも夏に飾りたくなるものですが、正式な植物名はウラハグサ。
葉の元をよく見るとねじれているのがわかります。それはそれ、風知草と呼びたくなる気持ちもわかります。

桧林を思わせる寄せ植え造りの盆栽です。
桧の歴史は古く、弥生時代から桧の材木は随一とされ、神社仏閣の多くにヒノキ材が使われています。
よって桧の人工林は多く点在しており、里山の原風景を感じられます。

暑い日々が続いていても、秋になれば残暑といいます。
暦の上と言わずに、微かな秋の気配を見つけてみましょう。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」

秋の気配を探るのも暑さを紛らわすのに良いのかも知れません。


2017年7月24日月曜日

盆栽をお楽しみください







真柏石付き  樹齢約30年
リョウブ  樹齢約4年
ニレケヤキ 樹齢約40年

7月23日で24節気の大暑をむかえ、暑さの極みとなります。
人も動物も植物もここを乗り切るために、活動を控えてじっと息を殺して耐え忍ぶようです。

真柏の石付き盆栽は実際の自生地をイメージして造られた創作盆栽といえます。
山奥の切り立つ崖の岩にしがみついてたくましく生きている姿です。
その地の清らかな空気も感じられるようです。

リョウブはこの夏期に白い小花を房になって咲かせる見て涼やかなありがたい樹です。
北海道から九州にかけての山地に分布し、丈夫で成長も早く園芸向きな樹種といえます。

ニレケヤキはケヤキと同属で葉が小さく矮小にでる品種です。
ケヤキと同じく丈夫で芽吹き旺盛なのでボサボサになりやすい、少し手間のかかる樹です。
葉は照りがあってケヤキよりも緑が綺麗でイキイキして見えるようです。

暑さの盛り、炎天とは大げさでなく、ここのところの気象は異常に感じられます。
日焼けは人だけでなく植物にも被害が出ます。
秋の紅葉のためにもほどほどにしていただきたいものです。


2017年7月7日金曜日

盆栽が新しくなりました。





         ソロ 樹齢約50年
         姫孟宗竹
         真柏 樹齢約70年


7月7日は24節気の小暑、そして五節句のひとつ七夕です。
梅雨明けも間近となり、暑い夏が訪れます。
七夕は豊作を祖霊に祈るお盆行事の一部でもあり、笹は精霊が宿る依り代とされてきました。
願い事を短冊に書いて笹の葉に吊るし、星にお祈りするのも中国伝来のものと日本文化が合わせてできたものです。
姫孟宗竹は元来の孟宗竹に比べて太くならず、高く大きく伸び過ぎることもない、盆栽に適した種類です。
手もとで七夕飾りを楽しむにはこれが一番といえます。

ソロは盆栽界での名ですが、一般にはアカシデといい、
北海道から九州までの山地や丘陵地に自生しており、庭木や公園樹などにも植えられています。
新芽と共に花が咲き種子ができます。新芽が赤く色づいて出ること、
そして花が注連縄(しめなわ)などに使われる紙垂(しで)に似ていることから「アカシデ」と呼ばれるようになったようです。
初夏の涼やかな緑もさることながら秋の紅葉も美しく、四季を通して楽しめる樹と言えます。

真柏は深い山の崖のような場所でも生きるたくましい生命力をもっています。
雷や突風に打ち倒され、舎利といわれる骨のような木の芯の部分が現われながらも捻転し枝葉を伸ばしています。
舎利はまるで彫刻されたアートのようでもあります。深山の清らかな空気を纏い、
そこにあるだけでまわりの空気がピリリとひき締まるようです。

本来、七夕は旧暦の行事です。今は梅雨の晴れ間を期待しましょう。
もしも雨や曇りでも 8月28日の旧七夕にお願いすれば大丈夫。
その頃にはきっと、満天の星空で、織姫と彦星も会うことができるでしょう。

森前 誠二

2017年6月23日金曜日

盆栽が新しくなりました。




         カラマツ 樹齢約35年
         菖蒲
         青枝垂れもみじ 樹齢約40年

6月21日は24節気の夏至にあたります。
太陽が最も高く昇る日で、昼が一番長く夜が短い日です。
とはいえ梅雨の只中にあって太陽はなかなか顔を出しません。
人には鬱陶しい長雨ですが、植物にとっては恵みの雨、この期にグングンと水と養分を吸い上げて枝葉を伸ばしてゆきます。

カラマツは日本固有種で、日本で唯一の落葉針葉樹です。
松なのに落葉するという面白い樹種で、毎年出てくる青葉の色合いは群をぬいて素晴らしいです。
新緑の美しさもさることながら秋の黄金色になった姿もとても良いものです。

菖蒲は北海道から九州まで分布し、各地の公園や菖蒲園で見頃を迎えています。
「いずれは菖蒲か杜若」と似ていてどちらも美しいことをいいますが、昔から人々に親しまれてます。

青枝垂れもみじは数あるもみじの品種の中でも、ひと際人気のあるものです。
切れ目の深い葉は涼やかで、この時期は雨の雫が一葉一葉に垂れて、より赴きある姿にしています。

雨の日が多く室内に籠りがちになる季節にも盆栽を愛でて楽しむもひとつ、
雨の景色を見て、草木を打つ雨の音に耳を澄ませるのも梅雨の楽しみ方になるのではないでしょうか。


森前 誠二

2017年6月12日月曜日

季節の盆栽お楽しみください





      ノリウツギ 樹齢約20年
      早苗 (コシヒカリ)
      桧寄植え  樹齢約50年

6月5日で芒種となり、田んぼもすっかり稲が植えられ、
水面はキラキラと反射して初夏の美しい景色を見せています。
日本の風土や文化は稲作が中心になってきたものです。
一年を通して祭りや儀式の多くは稲作が関わっており、生活の軸になっていました。
知り合いの農家の方から実際に使うコシヒカリの早苗を譲っていただき、植え込みました。

ノリウツギは見た通りアジサイの仲間です。
北海道から九州まで広く分布し、野山に湿地に岩場にも広範囲に生息する、
とても丈夫で成長の早い樹です。樹液から和紙に使う糊を採っていたことでこの名がついたようです。
アジサイよりも少し遅れて咲くとても涼しげ花姿です。

桧林を思わせる寄せ植えの盆栽です。
桧の歴史は古く、弥生時代から桧の材木は随一とされ、
神社仏閣の多くにヒノキ材が使われています。
桧の人工林は各地に多く点在しており、里山の原風景といえます。
桧林が雨にけむる風景を想像してみると日本の梅雨の景色のひとつとも言えるでしょう。

気象庁からは6月7日から梅雨入りとの発表がありました。
から梅雨では水不足になってしまいますし、酷い豪雨での災害は困ります。
程良い梅雨を願うばかりです。


2017年5月30日火曜日

店内の盆栽が新しくなりました。






       岩がらみ 樹齢約30年
       ユキノシタ
       サツキ 樹齢約40年

5月21日で小満をむかえ大地の気が満ちてゆきます。山の木々はすっかり緑が繁茂し、
植物も動物も花を咲かせ、子をつくり、命の輝きを見せてくれます。

岩がらみは文字通り岩や木に張り付いて枝を伸ばし花を咲かせます。
アジサイの原種ともいわれ、白い額を外側に中は小さな小花を密にして咲きます。
アジサイよりも楚々としていて野趣があり、山の中で咲いているのがイメージしやすいものです。

ユキノシタも文字通り冬の間は雪の下で葉を保ち、いよいよ初夏の頃に花茎をすっと伸ばして可愛らしい花を咲かせます。
山の岩場などで根を張り、群生して花を咲かせると、白い小花がいっぱいになって雪のように見えるのですね。

サツキが鮮やかな花を咲かせました。
ツツジの仲間であるサツキは古く旧暦の五月を皐月と言い、他のツツジ類に比べ皐月の頃に遅れて咲いてくることで
サツキツツジと呼ばれました。
花形良く小葉で幹もきれいで尚且つ丈夫であることから、交配され様々な品種が発表され人気を博しています。
五月雨、皐月晴れとどちらも旧暦の5月を言い、現代の暦では6月の梅雨どきの空模様を表しています。
サツキが咲き終わる頃には梅雨入りが近いのでしょう。今は爽やかな初夏の陽気を楽しむのが一番です。



2017年5月16日火曜日

店内を彩る盆栽をお楽しみください




      山もみじ  樹齢約35年
      アヤメ
      真柏  樹齢約60年


立夏を過ぎて風薫る季節です。山々は新緑に覆われ、生命の輝きが満ち溢れているようです。
険しい山に生きる真柏は風雪に押しつぶされながらもたくましく崖から枝を伸ばし、今やと葉を茂らせています。
炎天の真夏に入るまではいっきに力をみなぎらせているようです。

山もみじの寄植えはもみじ林のように見せています。
まだ出たばかりの新葉に太陽の光が透けるようで、葉陰は薄く清廉な空気が漂っているようです。
木々の間を鹿などの動物たちが歩いている絵が想像できるでしょう。

アヤメが咲きだすと夏の始まりを感じます。
アヤメは湿地の植物のように思われていますが、低山から高原の明るい草原に見られる植物です。
「いずれはアヤメかカキツバタ」と、よく似ていてどちらも良いという
言いまわしがありますが、アヤメは乾いた土地を好み、カキツバタは湿地を好みますので、本来住処は離れているようです。

夏の始まりと同時に、梅雨がくるまでの良日が永く続くのを願う方も多いでしょう。
暑くなってきても、カラッとして風が気持ち良いこの頃は、予定が無くとも自然と外に出かけたくなる気分になるものです。



2017年4月30日日曜日

店内の盆栽をお楽しみください




       出猩々もみじ 樹齢約20年
       風知草
       桧  樹齢約60年

季節は立夏を間近に若葉きらめく頃です。

出猩々もみじは春の芽出しが真っ赤に色づき、目を引きます。
夏に近づくにつれ緑色になってゆき、秋にはまた紅葉してくれます。

風知草は夏の間に涼しさを感じさせてくれる葉物ですが、
春の芽出しも爽やかでとても良いです。

桧は古来から最上級の材木として扱われてきました。
太くて大きな桧は神社や仏閣の建造には貴重なものでした。
桧の香りを好むのは日本人のDNAに刻まれているのでしょう。

2017年4月19日水曜日

盆栽が新しくなりました。






          藤の花 山藤・約40年
          丹頂草
          真柏  樹齢約50年

深山の“春兆”


街並みの“桜の便り”がいつの間にか消えてゆくこの頃、喧騒から遠く自然の風吹く山々にも、春は確実に花開いてきています。


足下の渓流も雪どけ水の清冽な流れを取り戻し、沢の脇には丹頂草が花首を陽射しに向けて精一杯開いています。


山々はこうして少しずつ“温”を取り戻して“萌える樹々”が緑のハーモニーを奏でるようになります。

それでも 遠く高く仰げば、草花も無い断崖の高所に真柏の老樹は、深い緑を湛えて変わらぬ表情を見せています。


変わらぬ命・刻々と姿を変える命、そのすべてが大きな自然の中にあります。

私達もこの自然の中のひとつなんですね。


森前誠二

2017年2月13日月曜日

盆栽が新しくなりました。




サンシュユ 樹齢約30年
寒菊
五葉松 樹齢約60年 

2月4日の立春を過ぎ、暦では春の到来です。 とはいえこの頃は各地で大雪が降るなど、まだまだ寒さ厳しい季節です。 寒い中でも常盤の緑を保つ松は、日本人の持つ精神性や信仰心の象徴となってきました。 中でも五葉松は黒松や赤松に比べ葉が短く凛としていて、葉組みが綺麗にまとまり、 松の中では千両役者ばりに絵になる姿をしています。 ようやく近くの庭梅が咲き出してくる頃、盆栽は一足先に早春の黄色花を代表するサンシュユが開き始めます。 春黄金花の別名もあるように、葉に先立って花を咲かせ、満開になると全体を黄金色が覆うように見せます。 サンシュユは中国の山茱萸の漢名を音読みした名です。 寒菊もこの時期に貴重な色合いです。 これは春というより冬の花ですが、霜にも強く、鑑賞用に作られています。 春は名のみというように、まだ寒さのピークではと思えるほどですが、 そんな時こそ僅かな春の兆しを探してみるものです。