2018年5月18日金曜日

盆栽が新しくなりました





皐月(大盃) 樹齢約50年
アヤメ
桧  樹齢約30年

5月21日で小満をむかえ大地の気が満ちてゆきます。
山の木々はすっかり緑が繁茂し、植物も動物も花を咲かせ、子をつくり、命の輝きを見せてくれます。

サツキが鮮やかな花を咲かせました。
ツツジの仲間であるサツキは古く旧暦の五月を皐月と言い(現在での6月)、
他のツツジ類に比べ皐月の頃に遅れて咲いてくることでサツキツツジと呼ばれました。
花形良く小葉で幹もきれいで尚且つ丈夫であることから、交配され様々な品種が発表され人気を博しています。

菖蒲は北海道から九州まで分布し、各地の公園や菖蒲園で見頃を迎えています。
「いずれは菖蒲か杜若」と似ていてどちらも美しいことをいいますが、昔から人々に親しまれてます。
桧の歴史は古く、弥生時代から桧の材木は随一とされ、神社仏閣の多くにヒノキ材が使われています。
神殿の柱になる太く立派なヒノキを求めて各地を探し周ったようです。

芒種をむかえると梅雨入りが迫る頃です。
桧林が雨にけむる風景を想像してみると日本の梅雨の景色のひとつとも言えるでしょう。

五月雨、皐月晴れとどちらも旧暦の5月を言い、現代の暦では6月の梅雨どきの空模様を表しています。
サツキが咲き終わる頃には梅雨入りが近いのでしょう。
今は爽やかな初夏の陽気を楽しむのが一番です。

銀座雨竹庵

2018年5月7日月曜日

盆栽が新しくなりました









真柏 樹齢約60年
日光キスゲ
イボタ  樹齢約45年

5月5日は24節気のうち夏の第一節気"立夏"となります。
そして五節句のひとつ"端午の節句"でもあります。
ゴールデンウイークの中に埋もれてしまいがちですが、大事な季節の節目です。

いぼたは北海道から九州までの林や山間に生きる樹です。
モクセイ科でライラックなどの仲間ですから、良い香りがします。
また、この樹につくイボタロウムシから日本刀の手入れに使う蝋が採れることから、
武家屋敷の庭にはいぼたが植えられていたようです。
お侍さんもきっと庭先のいぼたの花を愛でていたのでしょう。

日光きすげも少し前に芽を出したと思っていたのに、もう花芽を沢山つけて咲き出そうとしています。
鮮やかな黄色は目を奪われますが、1日花で萎んでしまいます。
各地に自生していますが、日光の霧降高原の群生は実に見事です。
深い山奥、樹海の森のような雰囲気を感じる真柏の根連なり盆栽です。
厳しい環境に耐え抜く真柏も陽気が良くなり葉を茂らせてゆきます。
太陽の光を浴びて水をたっぷり吸い上げて力を貯めています。

初夏の若葉の輝き、通る風の爽やかさ。
やがてくる梅雨の前に沢山日を浴びて、深呼吸してこのつかの間の快適な心地を楽しみましょう。


銀座雨竹庵

2018年4月23日月曜日

盆栽が新しくなりました




 上から

イタヤモミジ 樹齢約25年
ナルコユリ
真柏             樹齢約60年


4月20日で穀雨を迎え、春の雨が田畑を潤し、穀物の成長を助ける恵みの雨となる頃です。

山の渓流の側などに見られるイタヤモミジは大きな葉が空を覆う様子を、
板葺きの屋根に見立ててイタヤと名付けられたようです。
開いたばかりの赤ちゃんの手のような葉は、太陽の光が透けるようでとても清涼感のある姿です。
秋には紅葉も見せてくれます。

本州から九州の山林や草原に生えるナルコユリは瑞々しい青葉に白い斑が入り、春を讃えスズランのような花を見せています。「鳴子」という鳥を追い払うために縄に竹筒を吊り下げて音を出す仕掛けに見立てて、
ナルコユリと名付けられたようです。

真柏は深い山の崖のような場所でも生きるたくましい生命力をもっています。
雷や突風に打ち倒され、舎利といわれる骨のような木の芯の部分が現われ、それでも生き続ける力があり、
舎利はまるで彫刻されたアートのようでもあります。

春深し、次の節気は立夏となり春の終わりを意味します。
梅雨がきて日本のむし暑い夏を前に、ゆく春を惜しむ。
朧月に春のなごりを感じるこの頃です。


銀座雨竹庵



2018年4月7日土曜日

盆栽が新しくなりました




イチョウ 樹齢約40年
風知草
黒松  樹齢約70年

4月5日は24節気の清明にあたります。
天地万物の気が満ちて、清く明らかになります。
散り桜も美しくいよいよ春もたけなわ、新しい命の芽吹きが始まります。

いちょうと言うと公園や、お寺の参道のいちょう並木を想像する方も多いでしょう。
綺麗に黄葉しているところや銀杏を落している光景は憶えていても、
なかなか芽出しや新葉のいちょうを間近に見る機会は少ないかも知れません。
植物の中でも進化が進まず、生きた化石とも言われるいちょうの芽出しは、まるで生命の誕生の瞬間を見るかのような
感動を得られると言っても過言ではありません。

夏の間には涼を演出してくれる風知草も、今ようやく新芽が出てきたところです。
葉が伸びきってサラサラと風に揺れる姿も美しいのですが、萌え出でた新葉は格別な色味を見せてくれます。

黒松もそろそろ新芽が葉の間からぐんぐんと伸びてくる頃です。
芽が動き始めると、そこからは日の光りに沢山あたらなければいけません。
これが今期最後の松飾りとなるでしょう。

次に松が飾れるようなるのは9月秋の彼岸の頃、今年の新葉が日の光を浴びてしっかり固まってからとなります。

この頃は水も空気も清く美しく、外に出て深呼吸すれば心身が浄化されるようです。
花粉症の方にはお気の毒ですが。


銀座雨竹庵






2018年3月19日月曜日

盆栽をお楽しみください





      おかめ桜 樹齢約40年
      レンギョウ 樹齢約10年
      五葉松  樹齢約70年

3月21日は春分。
昼と夜が同じ長さになる日、そして彼岸の中日でもあります。
中国の故事ではこの日、水や雨を司る竜が天に駆け昇るといわれます。

おかめ桜はカンヒザクラとマメザクラを交配して作られた早咲きの園芸種です。
ほんのりと紅く染まっておかめ顔ということでしょうか。
ここから続々と桜が咲き始めます。

桜に押されがちですが、レンギョウも咲き始めました。
漢字で書くと「連翹」となります。
翹はキジの尾羽をいい、鮮やかな黄色が連なって咲く姿を表しているのでしょう。
眩しいほどの黄色が目に飛び込んできます。
五葉松も春の陽気で青味が増してきたようです。

常盤の緑の五葉松、なんの変化もしない松と思われがちですが、しっかりと春の陽気にふれて新芽を伸ばします。
芽が動き始めると、そこからは芽がかたまる秋の彼岸頃まで、
日の光りに沢山あたらなければならないので室内展示は控えるようになります。

暑さ寒さも彼岸までというように、寒の戻りも次第に収まり、動物も植物も一気に動き出します。
「春が来た!春が来た!」と鳥は歌い、大地に気が満ちてゆきます。




銀座雨竹庵


2018年3月6日火曜日

盆栽が新しくなりました。





五葉松 樹齢約60年
春蘭 (シュンラン)
木瓜  樹齢約40年


3月3日は桃の節句、ひな祭りです。
女の子の幸せを願って雛人形を飾り、桃の花を飾ってお祝いする日です。
ここは桃の花を飾りたいところですが、そもそも旧暦の行事をそのまま現在の暦にあててしまっているので、
実際の事象とひと月ずれてしまっています。
本来、桃の花が咲き始めるのは4月の半ばからですので、代わりに木瓜を桃の花に見立てて飾りました。

春蘭は雑木林などの足元に自生する野生蘭で、春の3月頃、茂みの中から茎を伸ばして花を咲かせます。
江戸時代の頃から盛んに愛培されてきた古典園芸植物であり、
現在も愛好家の間で珍種や奇形種が高値で取り引きされています。

寒い中でも常盤の緑を保つ松は、日本人の持つ精神性や信仰心の象徴となってきました。
中でも五葉松は黒松や赤松に比べ葉が短く凛としていて、葉組みが綺麗にまとまり、
松の中では千両役者ばりに絵になる姿をしています。

だいぶ暖かくなってきましたが、まだ寒の戻りもあるようです。
春の花々も次第に咲き始めますが、うっかり出てしまった葉芽が寒さにやけてしまうこともあるくらいですので、
人間も気をつけましょう。


銀座雨竹庵


2018年2月20日火曜日

盆栽飾りが新しくなりました。




         五葉松 樹齢約60年
         雪柳  樹齢約8年
         土佐水木  樹齢約25年

立春を過ぎ2月19日には春の2番目の節気にあたる雨水となります。
雪は雨に変わり、氷を溶かし水が大地に染み渡ってゆきます。
しかし、麗らかな春の訪れにはまだ遠く、大雪が降ったりもします。
三寒四温を繰り返しながら、春に向かっていきます。

土佐水木の堅かった花芽もようやく開く気配をみせています。
ぷっくりとして今にもパッとくす玉のように開いて、明るい黄色の花を見せてくれそうです。
春を告げる黄色は土佐水木をはじめ、マンサクやロウバイ、サンシュユにレンギョウなど、
白や紅の梅の後に黄色が眼に入ると本当に春が来たなと感ずるものです。

雪柳は柳のように扇状にカーブし枝を垂れて真っ白な花をつけます。
満開に咲いた時は、まるでそこだけに雪が降っていたかのように真っ白なかたまりになって見えます。
こちらも春を告げる代表的な種類です。

松は常盤の緑、寒さ厳しい中でも緑を保ちます。
散ることなく緑を称える姿は永遠、不死の象徴として古来より重用されていました。
かでも五葉松の短かくつまった葉姿は、他の黒松や赤松に比べても気品があります。
特に盆栽界では松の中の王、しいては盆栽の王様として扱われています。
春は名のみとは言えど、五葉松の葉もここにきて少しだけ柔らかく青みがついてきたようです。

水温むと言っても何ということはないと思う方も多いでしょうが、
自然界にとっては待ちに待った春の到来を感じられることです。
植物も動物も深い眠りから覚めるきっかけとなります。
さあ、目覚めよ!春が来た!春は足下から始まるのでしょう。

銀座雨竹庵




2018年1月31日水曜日

春のしるしを感じる盆栽






        山茱萸(サンシュユ) 樹齢約30年
        錦松  樹齢約50年
        柊  樹齢約35年

2月4日で立春となり、暦の上では春の到来です。
前日の3日は節分。

季節の変わり目に邪気が生じ、それを追い払う為に「鬼は外福は内」と豆を撒くことは、子供の頃から知っての通りです。

節分当日の夕暮れ、柊の枝に鰯の頭を刺したもの(柊鰯)を戸口に立てて置くことも、
古くは平安時代からの名残りのようです。
鰯の匂いにつられて顔を近づけた鬼の目に柊の葉が刺さり逃げて行く、といった仕掛けになっているようですが、
手入れをする職人にも優しくない木であります。

錦松は樹皮がゴツゴツと岩の鎧をまとったような幹をしており、なんとも力強く、凄みがあります。
昔、四国地方の黒松を山から取り出していた中にまぎれて出てきたものが最初と言われています。
極めて稀少で成長も遅いため、接ぎ木法という技術を使い多くの産出に成功したものです。
名前からも、錦を飾るといって縁起が良いですね。

中国、朝鮮半島原産のサンシュユ、その名前は中国名の「山茱萸」を音読みしたものです。
別名で 「春黄金花(はるこがねばな)」と言い
”木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝く”様を表しています。

春の到来は全ての生き物にとって待ち望んでいたものでしょう。
草木も動物もそして人間も。

春は名のみと言いますが、それでも僅かなしるしを見つけて感じるのもこの季節です。


銀座雨竹庵

2018年1月26日金曜日

新しい盆栽をお楽しみください





       椿(西王母)  樹齢約30年
       季寄せ飾り (万両・千両・十両)
       五葉松  樹齢約80年


1月20日で小寒から大寒へと節気は変わり、寒さもより厳しくなって行きます。
暦では寒さのピークであり、その次の節気は"立春"つまり春となります。

五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、門松にあるように今年の歳神様を待つ、
神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

万両と千両、十両の寄せ植えは「財を成す」として、彩り豊かな雅びな飾りになりました。

椿は数多くの品種が出ていますが、これは「西王母」という金沢から出た品種です。
丸くふくよかな蕾から桃色の綺麗なグラデーションと、黄色い花芯が可愛らしく、凛としています。

常盤の緑をたたえる松と、春を告げる花々が咲き始め、盆栽界が一番賑わう国風盆栽展も間近になります。



銀座雨竹庵


2018年1月10日水曜日

新年の飾り初め




        野梅  樹齢約50年
        季寄せ飾り (五葉松 紅梅 白梅 フキタンポポ
                              万両 十両 南天 姫笹)
        五葉松  樹齢約80年

あけましておめでとうございます。
新たな年の始まりは心も新たになれるものです。
新しい気持ちでものを見聞きすると、盆栽にも新しい発見があるのかも知れません。

新年の飾り初めとして、五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、
門松にあるように今年の歳神様を待つ、神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

古くから日本人に愛されてきた梅の花。
江戸時代以降の花見といえば桜ですが、奈良時代以前に「花」といえば梅のことでした。
平安時代、菅原道真が愛した花としても知られ、道真とその神格化である学問の神、
天神のシンボルとしても梅が使われています。

「松竹梅」は慶次吉祥のシンボルとなっていますが、元は中国の「歳寒の三友」といわれる文人画の画題から伝わったものです。
松は寒い中でも常盤の緑を保つことから不老長寿の象徴であると共に、
「神を待つ」年神様の依り代とされます。
梅は雪がちらつく程の寒さ厳しい中でも一番に咲き、春を告げる。
清廉潔白で気品ある美しさがあります。
竹もまた寒い中でも緑を保ち、成長の早さは著しく、天に向かって真っ直ぐに伸びる姿に、子の成長をなぞらえたりします。
その他にも、南天で「難を転じて福となす」となり、万両と十両を入れて「財を成す」として、
柑橘は常緑で沢山の実りを長く持たせることから「永く続く繁栄」を表わしています。

年の始まりにめでたいづくしの雅びな飾りとなりました。

これもまた、盆栽のひとつの表現です。
年の始まりは松に始まります。

これから順々と季節の旬の飾りを楽しんで頂けるよう精進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。


銀座雨竹庵