2018年1月31日水曜日

春のしるしを感じる盆栽






        山茱萸(サンシュユ) 樹齢約30年
        錦松  樹齢約50年
        柊  樹齢約35年

2月4日で立春となり、暦の上では春の到来です。
前日の3日は節分。

季節の変わり目に邪気が生じ、それを追い払う為に「鬼は外福は内」と豆を撒くことは、子供の頃から知っての通りです。

節分当日の夕暮れ、柊の枝に鰯の頭を刺したもの(柊鰯)を戸口に立てて置くことも、
古くは平安時代からの名残りのようです。
鰯の匂いにつられて顔を近づけた鬼の目に柊の葉が刺さり逃げて行く、といった仕掛けになっているようですが、
手入れをする職人にも優しくない木であります。

錦松は樹皮がゴツゴツと岩の鎧をまとったような幹をしており、なんとも力強く、凄みがあります。
昔、四国地方の黒松を山から取り出していた中にまぎれて出てきたものが最初と言われています。
極めて稀少で成長も遅いため、接ぎ木法という技術を使い多くの産出に成功したものです。
名前からも、錦を飾るといって縁起が良いですね。

中国、朝鮮半島原産のサンシュユ、その名前は中国名の「山茱萸」を音読みしたものです。
別名で 「春黄金花(はるこがねばな)」と言い
”木全体が早春の光を浴びて黄金色に輝く”様を表しています。

春の到来は全ての生き物にとって待ち望んでいたものでしょう。
草木も動物もそして人間も。

春は名のみと言いますが、それでも僅かなしるしを見つけて感じるのもこの季節です。


銀座雨竹庵

2018年1月26日金曜日

新しい盆栽をお楽しみください





       椿(西王母)  樹齢約30年
       季寄せ飾り (万両・千両・十両)
       五葉松  樹齢約80年


1月20日で小寒から大寒へと節気は変わり、寒さもより厳しくなって行きます。
暦では寒さのピークであり、その次の節気は"立春"つまり春となります。

五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、門松にあるように今年の歳神様を待つ、
神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

万両と千両、十両の寄せ植えは「財を成す」として、彩り豊かな雅びな飾りになりました。

椿は数多くの品種が出ていますが、これは「西王母」という金沢から出た品種です。
丸くふくよかな蕾から桃色の綺麗なグラデーションと、黄色い花芯が可愛らしく、凛としています。

常盤の緑をたたえる松と、春を告げる花々が咲き始め、盆栽界が一番賑わう国風盆栽展も間近になります。



銀座雨竹庵


2018年1月10日水曜日

新年の飾り初め




        野梅  樹齢約50年
        季寄せ飾り (五葉松 紅梅 白梅 フキタンポポ
                              万両 十両 南天 姫笹)
        五葉松  樹齢約80年

あけましておめでとうございます。
新たな年の始まりは心も新たになれるものです。
新しい気持ちでものを見聞きすると、盆栽にも新しい発見があるのかも知れません。

新年の飾り初めとして、五葉松は「今年もお客様の御用をお待ちします」との意を込めているのとともに、
門松にあるように今年の歳神様を待つ、神の依り代の役目を果たしています。
80年を超える樹齢にみる臈たけた雰囲気と太幹で力強い姿は、それ自体に神が宿り「御神木」と化したように見えます。

古くから日本人に愛されてきた梅の花。
江戸時代以降の花見といえば桜ですが、奈良時代以前に「花」といえば梅のことでした。
平安時代、菅原道真が愛した花としても知られ、道真とその神格化である学問の神、
天神のシンボルとしても梅が使われています。

「松竹梅」は慶次吉祥のシンボルとなっていますが、元は中国の「歳寒の三友」といわれる文人画の画題から伝わったものです。
松は寒い中でも常盤の緑を保つことから不老長寿の象徴であると共に、
「神を待つ」年神様の依り代とされます。
梅は雪がちらつく程の寒さ厳しい中でも一番に咲き、春を告げる。
清廉潔白で気品ある美しさがあります。
竹もまた寒い中でも緑を保ち、成長の早さは著しく、天に向かって真っ直ぐに伸びる姿に、子の成長をなぞらえたりします。
その他にも、南天で「難を転じて福となす」となり、万両と十両を入れて「財を成す」として、
柑橘は常緑で沢山の実りを長く持たせることから「永く続く繁栄」を表わしています。

年の始まりにめでたいづくしの雅びな飾りとなりました。

これもまた、盆栽のひとつの表現です。
年の始まりは松に始まります。

これから順々と季節の旬の飾りを楽しんで頂けるよう精進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。


銀座雨竹庵